2024年8月8日
先日、県内でフリースクールを運営するNPOが合同で開催するワークショップを視察しました。県内各地から集った約20名の子どもたちは、クラフトなどの室内ワークショップや、野外での焚火やバーベキューを通して交流し、活気に満ちあふれていました。
文科省の調査によると、令和4年度の小中学校における不登校児童生徒数は過去最多の約30万人に達し、千葉県でも10年前の2倍以上となる約12,000人に増加している深刻な状況です。不登校が長期的な引きこもりへとつながる可能性も指摘されていることから、早い段階での居場所づくりと学びの多様化の必要性を感じました。
千葉県では本年3月、不登校の児童生徒が登校できることだけを目標とするのではなく、将来の社会的自立を目指すことを基本理念とする「千葉県不登校児童生徒の教育機会の確保に関する施策を総合的に推進するための基本方針」を策定し、支援に乗り出しました。今年度からは新規事業である「不登校児童生徒の教育機会確保事業」もスタートし、さらなる展開が期待されます。そこで伺います。
(※画像:文部科学省「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」より)
フリースクール等に関するモデル事業を、不登校児童生徒の教育機会の確保に向け、どのように活用していくのか?
フリースクール等の民間団体は、児童生徒に学びの場や安心して過ごせる居場所を提供するなど、多様な教育機会を確保する上で、重要な役割を担っており、学校や他の支援機関との、より緊密な連携が必要であると考えております。
そのため、県教育委員会では、フリースクール等と学校・教育委員会が、連携して、児童生徒の社会的自立に向け、効果的な学習指導や大変活動を行うモデルを構築することとし、現在、その調査研究を委託するフリースクール等を選定しているところです。
これらの調査結果を学識経験者等で構成する専門家会議で分析し、実践的な好事例として県内に広く周知することで、フリースクール等と学校・教育委員会が相互に協力・補完する体制を促し、不登校児童生徒への支援の充実を図ってまいります。
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フリースクール認証制度について
民間団体を選定し、支援モデルを構築するとのこと、大変期待しております。フリースクールの形態や取り組み方は千差万別であるため、様々なタイプのフリースクールがモデル事業に選定され、多様な意見が反映されることを願っています。
保護者の方々にお話しを伺ったところ、フリースクールに通う際の経済的な負担が大きいという声が聞かれました。県が策定した基本方針では、保護者への経済的支援が盛り込まれています。
長野県では、一定の基準を満たすフリースクールに対して認証を行い、運営経費の補助や研修、連携促進といった支援を行っているようです。そこで伺います。
県でフリースクールの認証制度を設け、支援すべきと考えるがどうか?
今年度実施するフリースクール等に関するモデル事業の成果を検証する中で、他の自治体の事例も参考にしながら、認証制度を含め、支援の在り方を研究してまいります。
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フリースクール等の利用料助成については、実施する自治体が広がってきています。 保護者の経済的負担を軽くし、不登校の児童生徒が通いの居場所を確保できるよう、フリースクールの助成制度の創設を要望しました。
【参考資料】
児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(文部科学省)
市原市 鈴木 和宏