2024年8月8日
本県では、公立の小中学校および特別支援学校の教員として採用された方のうち、日本学生支援機構の第一種奨学金を借りている方の奨学金の返済を肩代わりする「奨学金返還緊急支援事業」を始めました。
この制度は、企業等の奨学金返還支援制度を、行政として初めて活用したものであると同時に、奨学金返還の一部を助成する他の自治体とは異なり、奨学金全額を肩代わりするのは本県が初であり、大きな話題となっています。
教員不足が課題となる中、教員採用試験の志願倍率も年々減少していることから、質の高い教員の確保と教員志願者の確保のため、奨学金の返済を支援する制度の創設について、昨年の9月議会で要望しておりました。事業化いただいたことに感謝いたします。
学校にとっては教員不足の解消に、児童生徒にとっては優秀な先生による教育に、そして教師を目指す学生にとっては学費の負担軽減につながる「三方よしの取り組み」の成果が、現れることを期待します。そこで伺います。
奨学金返還緊急支援事業の申し込み状況はどうか?また、今後どのように周知していくのか?
今年度の新規採用者については、5月末日までに88名が返還支援申請の手続きを行いました。今後、資格要件等の確認を行い、正式に認定いたします。
また、令和7年度以降の支援対象となる現在の高校3年生から大学4年生についても、現時点で事前申請が可能であり、これまでに大学1年生から4年生までの114名から申し込みがありました。
今後とも、県内高等学校や全国の大学で行っている説明会等で事業内容を詳しく説明するとともに、ホームページやSNS等、様々な媒体を活用した「採用プロモーション活動」を通して周知に努めてまいります。
◇
養護教諭や高校の教諭を対象外としているのは、志願倍率が低くなっている小中学校を充実させるためと伺いました。わが会派のところには、対象とならない方から、公平性に欠けるのではないかとの声も届いております。
優先順位をつけることは理解できますが、今後は対象範囲を拡げるとともに、現在は6年間としている期間の延長も検討いただくことを要望しました。
また、現在社会人として活躍されている方が新たに教員となる場合は対象外であると伺っています。社会人の方も対象とするなど、さらに間口を広げ、質の高い教員の確保に努めていただくよう要望しました。
【参考資料】
教員不足解消に向けた奨学金返還緊急支援事業のご案内(千葉県教育委員会)
市原市 鈴木 和宏