2024年7月18日
金属の買い取り価格の高騰に伴い、金属盗の被害が急増しています。
本県において、2020年に487件であった金属盗の認知件数は、2023年には1684件となるなど、約3.5倍に上昇しました。金属価格の高まりに加え、金属くずを容易に持ち込むことができる金属スクラップヤードが増えたことなども、要因の一つと考えられます。
私の地元である市原市においては、太陽光発電所の銅線ケーブルをはじめ、足場板や給湯器、エアコンの室外機など、盗難被害が相次いで発生していました。
そのため、昨年の9月定例会にて、金属類の盗難防止について取り上げさせていただき、盗難に遭った金属類の流通防止と、速やかな発見をはかるため、古物営業法に準拠した条例の制定を提案・要望したところ、この度、千葉県特定金属類取扱業の規制に関する条例の制定につなげていただいたこと、高く評価いたします。
この条例が施行され、金属盗難の被害が防がれることを期待する一方、条例に基づいた確実な実効性の確保が求められることから、どのような運用になるのか伺いました。
金属盗難の被害が急増する中、事業者への盗品の流入状況をどのように把握するのか?
本条例案では、警察は、許可を受けた特定金属類取扱業者に対して立入検査を行うことができるほか、特定金属類取扱業者は、不正品の疑いが認められる金属類について、直ちに警察に申告しなければならないこととされています。
このほか、「品触れ」といいますが、警察が、特定金属類取扱業者に対し、盗品等の被害品に関する情報を通知することができる旨の規定を設けており、特定金属類取扱業者は通知された被害品に相当する金属類を受け取った場合、直ちに警察に届け出なければならないこととされています。
県警では、これらの規定により、特定金属類取扱業者における盗品の流入状況の把握に努めてまいります。
事業者への盗品の流入が判明した場合、どのような対応をとるのか?
本条例案では、買受けするなどされた特定金属類が盗品等であると疑われる場合、警察が特定金属類取扱業者に対し、当該金属類について一定期間の保管を命ずることができることとされています。
また、特定金属類取扱業者は買受け等により受け取った特定金属類に関して、取引の年月日、品目・数量、特徴、取引の相手方の住所・氏名・職業・年齢等を帳簿等に記載し、これを一定期間営業所に備え付けるなどしておかなければならないこととされており、警察では、これらの情報から盗品の流入に至った経緯等について調査等を行うこととなります。
【参考資料】
市原市 鈴木 和宏