2024年6月4日
6月3日(月)、オランダ視察2日目です。
まず始めに、在蘭日本商工会議所(JCC)を訪問。
企業の海外進出の機会や課題、日本とオランダの関係強化、日本企業の最新の動向などを中心にお聞きしました。
オランダへの日系進出企業が伸びている理由に、地理的優位性とイギリスの欧州離脱も相まってEUのハブとして選ばれていることに加え、国策として欧州のR&D分野の玄関口となるよう支援を強化したり、労働ビザの取得や給与所得の30%が非課税となる税制優遇を行っていることが効果を発揮しているそうです。
一方、課題面ではロシアのウクライナ侵略により、エネルギー価格の高騰や物流の混乱、高い離職率、さらにオランダは、国の成り立ちから環境への意識が高く、サーキュラーエコノミーを先進的に取り組んでいるため、技術的な参入障壁が高くなることが挙げられました。
次に訪れたアムステルダム港の視察では、水素関連の取組の全体像と再生可能エネルギーの概況を伺いました。
水素の製造と調達では、同港において洋上風力発電による水素の製造の他に、海外からグリーン水素を調達する方針のようです。貯蔵や輸送においては、水素キャリアでポテンシャルの高いアンモニアを使わない方法で進められているようで、技術やコストに課題を感じました。
水素の効果的なエネルギー利用にはオランダにおいてもまだまだ課題は山積していることから、EUとオランダ政府から技術開発支援やインフラ整備の資金援助を受けながら推進していくとのことです。
次にJETROアムステルダム事務所を訪れ、オランダの再生可能エネルギー施策を聴講しました。
オランダは洋上風力発電を強力に推進していて、設置場所の選定や規制の撤廃、風切り音対策などが行われています。国が環境アセスまで行うことで事業認可が格段に早くなっているとのことです。
また、フローニンゲン・ガス田の段階的閉鎖後の代替エネルギーとしての水素戦略についても伺いました。
さらにバイオマス発電も積極的に推進され、農業大国らしく、その廃棄物を利用していました。
最後に中部電力からオランダの洋上風力発電プロジェクトを中心とした再生可能エネルギーの取組をお伺いしました。
現地を訪れたことで、再生エネルギーの導入と地域経済の発展との両立に向けた多くの知見が得られました。しっかりと検証して今後の本県の政策に活かしたいと思います。
充実したオランダ調査を終え、次の視察地ドイツ・フランクフルトに向かいます。
八千代市 横山 秀明