2024年3月13日
市原保健医療圏において、高度・救急医療を担っている帝京大学ちば総合医療センターが、市原市西部の姉崎地区から、北東部のちはら台地区へ移転することが明らかになりました。
帝京大学ちば総合医療センターは、市原市西部地区が総合病院の空白地区であったことから、昭和56年当時に、市原市が誘致したものであり、同医療センターが移転してしまうと、再び市原市西部地区が総合病院の空白地区となってしまいます。
市原市では帝京大学ちば総合医療センター移転後の総合病院の空白を埋めるため、公共用地等を活用して、病院の誘致を考えていることもあり、来年度改定される「千葉県保健医療計画」で示される新たな基準病床数がカギとなることから、次期医療計画について何点か伺いました。
次期保健医療計画における基準病床数について、どのような検討がされているのか?
基準病床数は、各医療圏における病床の整備目標であり、保健医療計画の改定に当たりまして、医療法施行規則で示されている算定方法により、人口や医療需要等に基づき、見直すこととしています。
基準病床数の見直しを含む次期保健医療計画案につきましては、2月にパブリックコメントを実施しており、今後、3月下旬に開催する医療審議会に諮った上で決定する予定です。
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医療圏ごとの病床の配分は、保健医療計画に基づいて行われますが、H30年度とR4年度に行われた病床配分では、県内に9医療圏ある中で、千葉医療圏、東葛南部医療圏、東葛北部医療圏の3医療圏のみの配分でありました。そこでお伺いします。
病床はどのような考え方に基づいて配分されるのか。また、他の医療圏からの配分希望との関係はどうだったのか?
病床の配分は、県保健医療計画で定める基準病床数に対して、地域にあります既存病床数が不足する場合に可能となります。
基準病床数の見直しは医療圏ごとに行われることから、病床配分も医療圏ごとに実施の可否を判断することとしており、配分希望の有無に関わらず、病床の不足のない医療圏においては、実施することはできません。
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次期「千葉県保健医療計画」の試案の概要を確認したところ、既存病床数に対して基準病床数が上回る医療圏、つまり病床の不足が見込まれる医療圏は香取海匝医療圏と安房医療圏以外の7医療になると想定されています。
先ほどの病床配分の考え方に基づくと、病床が不足する医療圏で増床を希望すれば、病床が配分されると考えてよいか?
病床の不足の生じた医療圏で病床配分を実施する場合には、県として配分方針を示した上で、病床の整備計画の公募等をしています。
例えば、今年度の配分方針では、「医療圏ごとに不足する医療機能を担う病床であることを原則とし、地元市町村、地区医師会」等の意見を考慮することなどを掲げています。
こうした配分の方針を踏まえ、全体の応募状況や個々の整備計画の内容を吟味した上で、県医療審議会のご意見も伺い、具体的な配分を行うこととしています。
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様々な機会をとおして、地域の実情や要望を把握していただき、各医療圏において安心で質の高い医療が受けられるよう、適正に病床が配分されるよう要望します。
また、新たな病院を誘致する場合、既存の病院が増床するのに比べて、整備計画を立てるのに時間を要するため、今後のスケジュールが重要になってきます。そこでお伺いします。
次期保健医療計画の決定・発表から、病床整備計画の受付、病床配分の決定に至るまで、今後どのようなスケジュールとなるか?
次期保健医療計画に基づく今後の病床配分のスケジュールや方向性については、県全体や医療圏ごとの医療提供体制の医療需要、次期地域医療構想の策定に関する国の動向、今年度の病床配分の状況等を考慮しつつ、配分時期や配分内容を検討する必要があると考えており、現時点では確定していません。
今後、医療圏ごとの病床配分の方向性の案について、地域医療構想調整会議等において、地元市町村や地区医師会など地域の関係者の皆さまのご意見を伺うことを予定しています。
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今後のスケジュールや方向性がわかり次第、速やかに市町村等、関係者に情報共有をしていただくよう要望しました。
【参考資料】
市原市 鈴木 和宏