2021年3月16日
脳内における神経細胞の過剰な電気的興奮に伴い、意識障がいやけいれんなどを発作的に起こすてんかんは、約100人に一人がもっている病気といわれています。
てんかん診療を専門的に行うことのできる体制づくりや、てんかん診療のネットワーク化を推進するために、てんかん診療拠点機関の整備が全国的に進められています。
本県においては、昨年4月1日、全国で18番目となるてんかん診療拠点機関として、千葉県循環器病センターが指定されました。てんかん診療拠点機関として指定されることにより、てんかん患者や家族への専門的な相談支援および治療をはじめ、他の医療機関への助言や指導、関係機関との連携や調整、さらに医療従事者等への研修や、てんかんに関する普及啓発を行うなど、てんかん診療の中心となって活動を行うことができるようになります。
今後、てんかん診療拠点機関を中心に、てんかんについての知見が集積されるとともに、てんかんの治療法や対策が確立され、一人でも多くの患者の方たちが安全に暮らしていけるようになることが、期待されるところです。
そこで、てんかん診療拠点機関を指定したことで、どのような成果があったのか確認しました。
てんかん診療拠点機関を指定したことにより、どのような成果があったのか?
てんかんは、専門的な治療機関等が把握されていなかったことや、診療する医師も専門的知識を要することなどの課題があったことから、てんかんに関する専門的な相談支援や治療を行うため、今年度から新たに、県の循環器病セ ンターを診療拠点機関として指定し、診療連携 体制の構築を図っているところです。
今回の指定で診療拠点機関と県内のてんかんの診療を行う医療機関とが連携できたことにより、患者や医療機関等から200件を超える相談などが診療拠点機関に寄せられるとともに、同機関の新規の外来患者数も増加傾向となりました。
引き続き、てんかん治療が必要な方を必要な治療につなげられるよう努めてまいります。
市原市 鈴木 和宏