2021年3月3日
DWAT( Disaster Welfare Assistance Team)とは、災害時における二次被害を防ぐために、配慮が必要な避難者に対して福祉支援を行う、社会福祉士や介護福祉士、看護師などで構成された専門職のチームのことです。
東日本大震災や熊本地震では、避難生活の中で命を落とす災害関連死や、体調の悪化・重度化が大きな問題となりました。一昨年の房総半島台風等による災害関連死も8名であり、災害から助かった命を、どうすれば守り続けられるのか、また、二次被害をどう防ぐのかが問われています。
この問題を解決するため、災害で避難を強いられた高齢者や障がい者、子どもらを支援する体制の整備が、全国的に進められており、千葉県においても、災害福祉支援チーム(DWAT)の発足に向け、千葉県社会福祉協議会や福祉関係団体との間において、DWATの派遣に関する基本協定が締結されました。
協定には、専門員の方にDWATに登録してもらい、養成研修や訓練を定期的に行うとありますが、福祉分野の慢性的な人手不足に加え、新型コロナウイルス感染症への対応などの関係もあり、その進捗状況が気になるところです。
また、災害発生時には、現場ごとの多様なニーズに対応する必要があり、DWAT派遣の際には、地域や専門性に応じてバランスよくチーム編成が行われることが大切です。
そこで、DWATの取り組み状況について質問しました。
チーム員の登録や研修など、現在の取り組み状況はどうか?
県では、大規模災害時に、避難所において高齢者や障害者などの要配慮者に対する福祉的な支援を行うため、千葉県災害福祉支援チーム・DWATの体制整備を進めています。
チーム員については、関係団体から推薦された福祉関係の有資格者を対象として、これまでに3次にわたり登録時研修を実施し、151名の方をチーム員として登録しています。
今後は、チームのリーダー層を育成するためのステップアップ研修を実施し、発災時に、より効果的な支援ができるよう派遣体制の強化を図ってまいります。
登録者の地域性や職種の偏りはどうか。また、災害発生時にはどのような体制で運用されるのか?
DWATについては、避難所における多様な福祉ニーズに対応するため、性別や、相談援助職、介護職など職種のバランスに配慮して編成することが必要です。
現在登録されているチーム員は、男性88人、女性63人、保有資格は社会福祉士37人、介護福祉士67人をはじめ、保育士、精神保健福祉士など多岐にわたっており、地域については、県内9圏域全てから登録されているところです。
災害発生時には、被災地以外の地域から、避難所における要配慮者のニーズを踏まえ、1チーム5人程度の編成により、派遣を行ってまいります。
市原市 鈴木 和宏