2021年2月8日
新型コロナウイルス感染症の収束の決定打といわれているのがワクチンです。国では、ファイザー社などと契約を締結し、ワクチンの確保をはかっています。今後は具体的な接種方法について検討を行うことになりますが、かつてない規模のワクチン接種であり、接種の主体となる県や市町村の担当者にとっても、未曾有の事業に不安な気持ちでいっぱいであると思います。
一方、県民にとっては、副反応等に不安を抱えながらも、コロナ収束の希望となるワクチン接種に、大きな期待をかけてもいます。混乱を極力抑えて、県民の期待に応えるために、可能な限りの準備を、速やかに進めていく必要があります。
すでに様々な課題も指摘されています。ワクチンを-75℃前後で保管するための「超低温冷凍庫」の確保や低温を保ったままでの移送、万が一の停電への対応、接種にあたる医師や看護師の確保、多くの人に接種するための会場の確保、医療機関を接種会場とする場合の通常医療との兼ね合いなどです。さらには、一人に対して2回同じ種類のワクチンを接種することが必要であり、ワクチンの種類や接種間隔の管理も重要です。
これら多くの課題を抱えながらのワクチン接種となりますが、その中でも、県と市町村がそれぞれの役割を踏まえ、様々な調整の主体となることが求められています。
また、ワクチン接種を推進していくためには、県民の理解と協力を得ることが不可欠です。副反応の不安を取り除くためにも、ワクチンの安全性や有効性について、具体的な情報や裏付けをもって、わかりやすく、そして丁寧な周知と啓発が必要ではないでしょうか。
そこで、ワクチン接種について、接種の優先順位や体制がどのようになるのか、また県民に対して求める対応を確認しました。
ワクチン接種の優先順位は?
新型コロナワクチンの接種については、以下の方を優先的に接種することとされています。
①医療従事者等、②高齢者、③基礎疾患を有する方
接種スケジュールは?
国が現時点で想定しているスケジュールとしては、2月から国主導で一部の医療従事者への先行接種を行い、3月中旬頃には一般の医療従事者等、その後、65歳以上の高齢者の接種を開始し、高齢者への接種は3ヶ月以内に完了することとされています。
接種体制は?
県は、医療従事者等への優先接種を実施するための体制を整備するとともに、市町村が実施する県民へのワクチン接種が円滑に進むよう、市町村と連携しながら、着実に準備していきます。
県民に求める対応は?
ワクチン接種により、新型コロナウイルス感染症の発症や重症化の予防が期待され、接種を進めていくことで重症者の発生をできる限り減らし、感染症のまん延の防止をはかるとされています。
県としても、多くの県民の方々に接種を受けていただきたいと考えており、安心して接種が受けられるよう、国や市町村等と連携し、県ホームページや今後設置予定のコールセンターなどを活用しながら、目的や安全性などの正確な情報提供や啓発等に努めていきます。
厚生労働省の資料によると、ワクチンの優先接種については、高齢者施設等の従事者とありました。高齢者への介護サービスは入所・入居型に限らず、在宅の高齢者等に対しても、多くの通所型や訪問型のサービスが提供されています。
サービスの継続およびクラスターの抑止は、入所・入居型以上に地域への感染リスク対応の必要性は高いと思われます。そのため、訪問介護従事者についても、ワクチン接種を優先していただくよう要望しました。
【追記】
2月9日付千葉日報に、県内ワクチン接種のスケジュールが掲載されていましたので、ご案内いたします。
【参考資料】
チャートで見るコロナワクチン 世界の接種状況は(日本経済新聞社)
市原市 鈴木 和宏