2020年6月9日
6月4日、市原市は0歳児が衰弱死した経緯を発表し、またしても児童虐待死を防ぐことができませんでした。
2019年1月24日、野田市の女児が自宅にて亡くなるという痛ましい事件があり、本年3月に千葉地裁は、父・栗原勇一郎被告に対し、懲役16年の実刑判決を下しました。
事件後、なぜ女児の命を助けることができなかったのか、県も市も検証委員会を立ち上げました。
6月には、厚労・文科省合同PTが「野田市女児虐待死事案の検証に関する中間とりまとめ」を発表し、11月には千葉県が、本年1月には、野田市が「児童虐待死亡事例検証報告書(公開版)」を発表しています。
さらに、2017年8月まで女児が住んでいた糸満市は本年3月、沖縄県は4月に検証報告書を公表しました。私もそれら5つの報告書を読みました。
各県各市も国も専門家が真剣に検証されています。しかし、その一方でそれぞれの立場からの検証で、果たして全体像がつかめるのかと疑問も生じます。
合同検証とは言わないまでも、同一事例を同一目的で検証するのですから、せめて意見交換の場が設けられてしかるべきではなかったかと思います。
県は、検証委員会の提言を踏まえて「千葉県子ども虐待対応マニュアル」を改定しました。それでも市原の0歳児を助けることができませんでした。
どうしたら子どもを守れるのか、さらなる検証を行わねばならないと思います。
松戸市 藤井弘之